
- 先端IT人材はこれからなんで不足するの?
- どうやったら先端IT人材になれるの?

慢性的に不足が叫ばれているIT人材ですが、IT人材の中にも旧来のIT人材と先端IT人材の二つがあります。
経産省の資料を見ればわかりますが、IT人材が足りないのは従来型の人材ではなく先端ITを保有している人たちになります。

この記事では、IT人材の不足や今後の市場動向を見ていきます。
この記事を読むことで、なんで今後のIT市場で先端IT人材が不足するのか、先端IT人材になるためにはどうすればいいのかということがわかります。
目次
先端IT人材とは

先端IT人材とは一体なんなのかということを見てみましょう。
基本的なベースになるのは経産省の委託を受けてみずほ総研が作成した資料になります。
従来型IT人材
みずほ総研が作成した資料では従来型IT人材というのは次のように定義されています。
従来からの IT 需要に対応するIT 人材
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

ITスキルと言っても非常に多様なものがありますが、従来から必要されていたITスキルには次のようなものがあります。
- プログラミング
- ネットワーク
- データベース
これらの技術は従来から存在しているITスキルであるため、これらのスキルのみを習得している人は従来型のIT人材と言えることができると言えます。
先端IT人材
先端IT人材については次のように書かれています。
従来からの 特に近年、AI やビッグデータ、IoT 等、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できる IT 人材の確保が重要となっている。このような先端 IT 技術等に関連する市場を担う IT 人材を「先端 IT 人材」と捉える・・・
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
ここから読み取れる先端ITスキルとは
- AIに関する技術
- ビッグデータに関する技術
- IoTに関する技術
となります。
これらのスキルを有しているIT人材は先端IT人材ということができるでしょう。
先端IT人材に必要なスキル

では先端IT人材になるにはどのようなスキルが必要なのか考えてみましょう。
AI・ビッグデータに関する関連技術
AIやビッグデータというと最先端な感じがするかもしれませんが、実際のIT技術はどのようなものが使われているのでしょうか。


確かにドラえもんのようなロボットが作られればそれは究極のAIということができます。
しかしながら、こういった人間の感情を持ち行動するようなAIを保有したロボットというのはまだまだ作られていないということは多くの人がご存知だと思います。
現実のAIは定義が曖昧であり企業や個人によって意味合いが違いますがAIが学べるAI搭載のソフトウェアとして次のように考えらえれています。
▶︎関連記事:人工知能って結局なに?AIのスクールで学べる人工知能の意味を解説
(事前準備)機械学習により過去のデータを分析し特徴を見つけ出しておく
- 新しいデータを入力
- 入力結果を過去のデータ分析と照らし合わせて判断
- 判断内容をもとにプログラミングによって人間の代わりに作業を行う
この一連の作業内容を搭載したソフトウェアがAI搭載のソフトウェアと考えられる

これらのAIを実現するには大きく分けて次の二つが必要になります。
- 過去のデータを分析する技術(データサイエンス・ビッグデータ解析)
- 分析を行う、分析した結果をもとに行動をするためのプログラミング
データサイエンスとは統計学などをもとにデータを分析する手法になります。
ECサイトなどで、過去の購入履歴からおすすめの商品が紹介されたという経験が多くの人にあると思います。
これも、過去の購買データから今後に買いそうな商品を予測しそれを提案するということとが行われていますが、こういった過去のデータを分析し人間では気づかないような新たな価値を発見したデータサイエンスとなります。
▶︎関連記事:データサイエンスって結局なに?AI学習の観点から考えるデータサイエンス
プログラミングとはパソコンに対する指示書であり、プログラミングを通してパソコンは様々な計算を高速かつ正確に実行してくれます。
特にデータの分析ともなると、計算内容が複雑かつ膨大な量になります。
しかしながら、計算手法は確立されているためプログラミングを通してパソコンに計算をさせることで、高速かつ正確にデータの分析を行うことができます。
▶︎関連記事:AIとプログラミングはどんな関係?AI搭載のソフトウェアで見るプログラミングの役割
IoTに関連する技術
IoTとはモノのインターネット化と言われ、様々なものをインターネットに繋ぐことで人々の生活をより豊かにしていく技術のことを言います。
IoTでは一般的に次の技術などが必要とされています。
- データベース知識
- センサーに関する知識
- ネットワーク知識
今後の従来型IT人材の需給動向

ではここから、今後のIT人材の市場がどうなるのか考えていきます。
現在、IT業界に関わりつつITに関して俯瞰して見れる立場として思うことは分野ごとに余る人材が大量に発生するということになります。
従来型の技術のみの人材は余る?
従来型のITスキルは今後どうなっていくのでしょうか。
経産省の資料を再度見直してみると、今後のIT人材の需給動向が載っています。
それによると今後のIT産業の需要の伸びを伸びを3段階に分けるほか、Reスキル率(従来型のITスキルを持った人が先端IT技術を学ぶ割合)などをもとに様々なパターンを考えてくれています。


今回の資料では過去の傾向をもとに算出しているだけなので、今後も同じように推移していくのかどうかということは全くわかりません。
しかしながら、この資料では実際のITの現場の感覚が抜けていると思うことが何点かあります。
- ITに限らず技術というのは簡単になっていく
- 従来型の様々な技術を一括りにしている
という点です。
ITに限らず技術というのは簡単になっていく
IT技術に限らずほとんどの技術は技術が高まっていくにつれて誰でも簡単に扱えるようになっていくモノです。

これまでのITスキルを保有している人は、特に技術的に高いものを保有している人でないとスキルが生かされていかなくなるという可能性を持っています。
実際にプログラミングの世界も最近ではローコードやノーコードと呼ばれるもので
アプリケーションが誰でも簡単に作れるようになっていっています。
これからは簡単な内容のアプリであれば誰でも作れるような時代になっています。
また、経産省の資料は過去のITに対する需要をベースに計算をしています。
そのため、今後の技術革新によってこれからのIT需要は自前で調達できるようになりIT需要は試算以上に減っていくということが予想されます。
従来型の様々な技術を一括りにしている
従来型のITスキルと言っても色々なものがあります。
ITスキルと言ってもプログラミングやネットワークスキル、データベースに関するスキルなどはそれぞれは別々のITスキルです。
もちろんPCという共通基盤の知識もありますが、細分化していくとそれぞれが独立した知識形態であるのでそれらを一括りにしてしまうということも問題と言えます。

例えばサッカーを思い描いてみましょう。
サッカー選手は全員がボールコントロールといった共通の技術を持っています。
しかしながら、GK、DF、MF、FWなどそれぞれのポジションで求められる細かいスキルは違います。
GKがシュートのスキルをいくら習得しても効果はあまりないと言えます。
従来型ITに関するスキルを一括りにしてしまいスキルごとの事情を考慮しないで考えるということは問題と言えます。
従来型ITスキルの市場動向の予想
従来型のITスキルに関する需給動向については次の二つの問題があります。
- ITに限らず技術というのは簡単になっていく
- 従来型の様々な技術を一括りにしている
つまり、従来型のITスキルのジャンルごとに技術革新が行われていくということになりますので、それぞれの分野ごとに需給動向を考えていく必要があります。
従来型のITスキルを幅広く学んでいるからこそわかりますが、今後も継続していくITスキルと衰退していくITスキルはそれぞれ違います。

プログラミング
従来型のプログラミング方式は変わっていき特別深い知識を持っている人が誰でも簡単に使えるローコードアプリといったパッケージを開発していくため、知識の浅いプログラマーは淘汰されていく。
レガシーとして従来のプログラミング技術やローコードなどでできない深い技術を持ったスキルを保有している人は需要が高い。
ネットワーク
すでに世界中でネットワークというものが稼働しているため従来の知識が非常に重要になる。また、ネットワーク体系で新しい技術は生まれているがネットワークは世界中と結びついているため簡単にリプレースというわけにはいかない。
そのため従来型の知識を活かしていくことができる。
データベース
AIやデータサイエンスではビッグデータの解析が重要になる。データベース設計は既に完成された思想でもあるので、新しい技術革新というのは早々に起きるものではない。がこれからもこれまでと同じような需要が見込まれる。
先端型ITの需給予想

AIを含む先端ITスキルについてはこれから市場が伸びていくのでしょうか。
政府の試算によるとこれからも先端ITを担うことのできる人材が足りないというのが現状です。

Reスキル率とは、従来型のITスキル保有者が新たに学習し直す割合になります。
先端IT人材になるには既にプログラマーとして活躍している人たちがメインになります。

メインはプログラミングになるぞ
先端型IT人材におけるAI人材の割合
先端型IT人材が習得しているスキルは以下のようなものがあります。
- AI・ビッグデータに関する技術
- IoTに関する技術
先端IT技術がこれから不足していくと言われていますがその中でもAIに関する人材不足の割合はどれくらいでしょうか。
特に注目されてるのがAI人材不足になります。
経産省の資料を見ると、今後のAI人材は不足するにしても大きく不足しているように見えないかもしれません。



今回の報告書に関して先端IT人材の需要とAI人材の需要については計算方法が違います。
先端IT人材の需要
これまでのIT市場の伸びを考慮し、そこから従来型と先端ITスキルの比率を予想
AI人材の需要
複数の市場調査の結果の伸びをAI需要の伸びとする

実際資料には次のように書かれています。
AI 需要に関しては、新しい市場のため、伸び率を設定することが難しい。しかしなが ら、AI の活用が広く産業界や社会に浸透する中で、AI 人材の需要が IT ベンダーに限らずユーザー企業や組織で増加すると見込まれることから、今回の試算では、AI 需要の見通しとして市場調査の参考にした AI 需要(平均)を基本として、AI 人材需給の分析を 行う。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
報告書の数字としては先端IT人材の中でもAI人材の割合は少なく見えるかもしれません。
しかしながらこれからのAI市場は予測ができないため経産省の資料のようにこれからもAI人材が少ないと考えるのは早計と言えます。
むしろ、これまでAI人材に対する需要が少なかったですが、これからAIに関する需要は爆発的に増えるということができます。
これからAI市場が伸びる理由
2016年の世界経済フォーラムでは第四次産業革命という言葉が使われるようになりました。
多国籍企業のトップや世界の政治指導者たちが集い世界情勢や経済の課題を議論し改善に取り組むことを目的とした会議
第四次産業革命とは今後予想される新たな技術革新のことを言います。
- IoT及びビッグデータ
- AI
つまり、第四次産業革命で定義されている先端IT技術というのは新たな産業を作り出すインパクトを持つものであり、
今後大きな需要が伸びていくということになります。
AIの今後については以下の動画がわかりやすいです。
最近の流行りである、DXでもAIが利用されることからもこれからAI市場が急成長していくということは明らかということができます。
▶︎関連記事:DXとAIの違いは何?DXとAIから見るDXの真髄
▶︎関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)って結局何?まずはDXの概要を理解しよう!
先端IT人材になるには

では先端IT人材になる方法を見てみましょう。
すでに社会人ならAIがおすすめ
すでに社会人であり先端ITスキルを身につけるとしたらAIやデータサイエンスがおすすめです。
確かにIoTも先端ITの一つですがIoTはモノのインターネット化であるため使える産業が限られています。
IoTにおけるモノの代表例としては家電などが挙げられますが、こういった家電を扱う日本の企業は限られており、IoTのスキルを生かすことができる企業は少ないと言えます。

一方でAIはDXなどとも密接に関わっており様々な場面で応用が可能です。
また、AIを仕事で活用するということは次の二つの理解が必要になります。
- AIに関する知識
- ビジネスに関する知識
このビジネスに関する知識というのは、社会人経験を持っている人でないと培うことのできないスキルになります。
アイデミー でも次のように書かれています。
AIを学ぶには
当サイトではAI学習のための正しいSTEPをまとめておきました。
このSTEPでは自分が本当にAIを学ぶべきなのかどうかから、AIをどのように学習すればいいのかまで正しく考えることができます。
AI学習に向けて正しい順序で考えないと無駄な時間で悩んでしまい時間を浪費してしまう可能性があります。
いざ学習したとしても、習得できず時間だけではなくお金を失うことにもなりかねません。
AI学習に向けて正しい段階を踏むことで後悔のないようにしてください。