
- DX人材としてAIのプログラミングまで知ってないといけないの?
- DX人材になるにはAIのことをどこまで勉強しておけばいいの?

DX人材にはAIの技術が必要ということがよく言われますが、実際のところどこまでAIの学習をすればいいのかということで迷う人もいると思います。
AIと言っても次の二つの学習方針があります。
- AIの理論を知る
- AIを実装する方法を知る
結論から書けばDX人材になりたいのであればAIの実装方法まで理解しておくことが重要になります。
この記事では、次のことを中心に書きます。
- DX人材はなぜAIの実装方法まで理解しておく必要があるのか
この記事を読むことで企業にとって本当の意味でDXを進めるためにはAIの実装方法まで理解している人が必要なことがわかるようになります。
目次
DXとAIの関係

AIとDXの関係はDXが目的であってAIはDXを達成するための手段ということになります。
▶︎関連記事:DXとAIの違いは何?DXとAIから見るDXの真髄
DXとはデジタル技術によってビジネスを変革させることになりますが、何をしたからDXなのかという明確な定義はないということができます。
デジタルやデータの力で業務の効率化を行ったり新たなビジネスチャンスを作ったりすることでビジネスを変革しその結果を人がDXと捉えているということになります。

つまり、AIやデータサイエンスという技術があり、この技術をビジネスに生かすことで結果としてDXになるということになります。
AIとは
AIに対しては明確な定義がありませんが過去のデータを分析した結果を利用するということが最近のAIの考え方の主流と捉えることができます。
データの分析を行う際にはデータサイエンスと呼ばれる学問を使います。
▶︎関連記事:データサイエンスって結局なに?AI学習の観点から考えるデータサイエンス
データサイエンスでは実際にデータをプログラミングで分析し、分析した結果から何を読み取れるかということを考えます。
そのため、データサイエンスのことをAIと考えることも可能です。

データサイエンスで過去のデータを分析することで特徴を見つけ出しアルゴリズムが完成します。
このアルゴリズムでは新規のデータに対して過去と比較した結果どのようなデータなのかといったことなどを人間の代わりに予想・判断してくれます。
例えばAmazonのようなECサイトでは過去の購買データをデータサイエンスによって分析します。
分析結果からアルゴリズムが作成され、そのアルゴリズムを利用すると今回購入した商品を買った人が次にどのような商品を買うのか人間の代わりに予想をしてくれているということになります。
DXという視点で考えればAIは過去のデータを活用し、人間の代わりに予想・判断を行うということが大きなポイントになると考えることができます。

昨今のDXでAIは必須技術になりつつある理由
DXも定義があいまいなので何をDXとするかで変わってきますが、DXはデータの活用によってビジネスを変革させることが目的です。
そのため、データを活用するという点でDXを推進するにはAIが必須の技術になっているということができます。
そもそもで言えば、DXの考えの一つであるデジタル技術によるビジネスの変革は昔から考えられています。

しかしながら、技術の発達によりIoTやAIによるデータの利活用が可能な時代になってきました。
そこでこれまでのデジタル技術の利活用から一歩踏み込み、データの利活用によるビジネスの変革が現在では行われているということになります。
このITの利活用の新しい流れに対して現代ではDXという名前が付与されていると言えるでしょう。

もちろんDXの本質はデジタルの利活用にありますので、DXには従来のようなデジタルの利活用という広義の意味とデータを分析し活用するという狭義の意味があるという状態になっています。
そのため、現在の潮流であるDXを実現しようとするとどうしてもデータを利活用する技術としてのAIという技術が必須になっているということができるでしょう。
DX人材としてAIをどのように勉強すればいいのか

DX人材になるためにはAIをどこまで勉強しないといけないかというと、AIのプログラミング手法までは知っておく必要があります。
というのも、DXを行う場合どうしても長期的な視点に立つ必要があります。
その際にベンダーなどに丸投げしてしまうと、自社のシステムがどのような状態になっているのかということがわからなくなってしまい10年後などに問題が発生するためです。
全て自社で賄う必要もないですが、ある程度は自社に技術のことがわかる人材を置いておくことが長期的なDXを成功に導くための鍵となります。
AI学習の二つの方針
AIを学習しようとした場合、大きく分けて二つの学習方針があります。
- AIの構造や理論を知る
- AIの実装方法を知る
AIの構造や理論を知る
AIは基本的に統計学などを用いたデータサイエンスと呼ばれる技術がメインです。
そのため、統計学や数学を勉強することでAIの構造や理論を知ることができます。
過去のデータ分析と言っても、分析手法は様々な方法があるほかどう言ったデータを分析するのかといったことが必要になります。
AIの構造や理論を知ることで、AIの動作原理などを理解することができますので自社のどういった業務にAIを適用できるのかなどを考えることができるようになります。
AIの実装方法を知る
AIの実装方法はAIの理論を実際にPCに行わせる手法を勉強することですが、この場合はAIのプログラミングの手法まで知っておくことになります。
AIのプログラミングとなると、難しそうなイメージがあるかもしれませんが、実際は通常のプログラミングに比べてAIのプログラミングは使う技術がある程度固定化されているので、通常のプログラミングよりも簡単に習得することができます。
▶︎関連記事:【勘違いしてませんか】AIのプログラミングは簡単な理由

DX人材としてAIは実装方法まで知っておくことが重要
DX人材としてAIを勉強する場合は自社で全て完結する場合はもちろんですが、ベンダーに依頼する場合でも実際にどのような作業を行うのかということを知っておくことが重要になります。
データの形の収集の適切な形がわからない
AIやデータサイエンスでは大量のデータを必要とします。
実際にAIで過去のデータの分析を行う際には必要なデータが何かといった判断やデータの形が重要になります。
例えばワインのアルコール度数の予測をするAIを開発するとしましょう。
この場合、過去のデータを分析する際に必要なデータはなにが必要でしょうか。
赤なのか白なのか、産地はどこなのか、年代はいつなのか等の入力データで良いでしょうか?
また、赤か白のデータが必要として、データの形として「赤」と「あか」というデータが混在していても良いでしょうか?
DXによるデータの分析は常にアップデートを必要としています。
これは時代の流れによって、マーケティング戦略が時代によって変わるということからも想像がつくと思います。
そのため、常にデータを集めそれらのデータを定期的に分析するためのシステム構築が重要になりますが、システム構築は一度構築してしまうと変更することがなかなか難しいという問題もはらんでいます。

そのため、DXはスタート時点での構想が重要になりますが特に重要なのがデータをどこでどんなデータを収集しどのように分析するのかということを理解することです。
データの収集の時点でどのようなデータの形が必要なのかを把握しておかないと、せっかく出来上がったシステムも作り直しという可能性があります。
DX人材としてDXを進める場合、データを集める際にどのようなデータが必要なのか、最終的に分析する際にどのような形のデータが必要なのかということを理解しておくためにも実際のAIのプログラミング手法を理解しておくことが肝になります。
ベンダーに依頼する場合に話がかみ合わない
実際にAIを導入する際企業によってはベンダーに依頼することになるとも思います。
その際、会社側の人間がAIに対する理解をある程度行っていないと話がかみ合わなくなり全く使うことができないAIが完成する可能性があります。
通常のソフトウェア開発を行う際にも現場側の人間とプログラマーで会話がかみ合わないということがよく発生しています。
パソコンはすべて論理で動きますので自社の仕事の一部をソフトウェアに行わせる場合は、現在の業務をすべて論理的に解決する方法を提示する必要があります。
しかしながらプログラミングを知らない会社の人間からすれば自分の仕事を論理で考えるというが難しく結果として、プログラマーと現場サイドで認識のずれが発生し買うことのできないソフトウェアが開発されるというケースがあります。
企業によってベンダーにどれくらい依頼するのかというのは変わってきますが、自社のシステムを理解している人は自社にしかいません。
ベンダーに丸投げしてしまうのではなく、自社でAIがどういった仕組みなのかを理解し構築のために何が必要なのかといった実務を理解しているDX人材がいることによってDXの導入が円滑に進み成功につながっていきます。

特に日本の企業の場合は、欧米に比べてベンダーに依頼する率が高いことになっています。
▶︎参考情報:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~ p19
自社の中でAIの実装まで行えるのであれば、現場とAIの構築者の間で密なコミュニケーションが取れるなど、AIの導入がスムーズにいく確率が飛躍的に上がります。
しかしながらベンダーに依頼してしまうということは、コミュニケーションが取りづらいほか、認識のずれが発生する可能性があります。

自社内でAIの実装方法まである程度のことを理解している人材がいることで、ベンダーに何をしたいのかと言った必要な機能などを正確に依頼することができます。

長期視点に立った場合自社にシステムを理解している人が重要
ITに関するシステムとなるとどうしても長期視点で考える必要があります。
ITはあらゆる企業の活動を支えるインフラです。
そのため、今あるシステムは向こう20年くらいは使われる可能性があるという視点で立っておく必要があります。

その場合、ベンダーに全て丸投げするのではなく自社でちゃんとベンダーと打ち合わせができる人材を育て、会社側が主体となってITの導入し関する音頭を取る必要があります。
その場合、特別詳しくなくても構わないのでベンダーがどのようなことを行なっているのかということを理解しておきましょう。

実際、この音頭を取らずにベンダーに丸投げしてしまい支障をきたしているのが自治体になります。
企業活動を長期で成功させるためにもベンダーに丸投げするのではなく、自社でちゃんと理解している人材を育て、その中から人手が足りない部分などをベンダーに依頼するという姿勢が大事になります。
AIの実装を知らない人がDXをするとどうなるのか

デスマーチという言葉をご存じでしょうか?
聞くだけであまりいい響きではなさそうな感じがしませんが、デスマーチについてWikipedeiaでは次のように書かれています。
デスマーチとは、長時間の残業や徹夜・休日出勤の常態化といった、プロジェクトメンバーに極端な負荷・過重労働を強い、通常の勤務状態では成功する可能性がとても低いプロジェクト、およびこれに参加させられている状況を指す。
デスマーチ - Wikipedia
デスマーチはTwitterなどでもたまに話題に上がる、IT業界の問題の一つとも言えますがこのデスマーチがベンダーで起きてしまうとベンダーだけではなくクライアント側に大きな損失が生まれます。
- 納期に間に合わない可能性
- 必要な機能が盛り込まれていない
- 使い勝手が悪い
- 予期せぬバグ
もちろん、これらはベンダー側が最終的な納品物として完成したものを提供できないという部分にも問題があります。
一方で、クライアントとしてもデスマーチが起きるようなオーダーの仕方をしてしまうことにも問題があります。

これはオーダーする側がプログラミングに関する知識がないため、プログラミングで対応できないことをお願いしてしまうことになります。
説明を受けてもプログラミングでできない理由がわからず結局はベンダーがクライアントのいうことを聞いてしまいデスマーチにつながるということがよくあります。
クライアントとしても無茶な依頼をしていることに気づかず、デスマーチに追い込んでしまい結果として質の悪い成果物が作成され不満が蓄積されるということもあります。

今後はAIの導入でこういった問題が発生する可能性が極めて高いと言えます。
つまり、AIの構造や実装方法のことをよく知らないがためベンダーに対して知らないうちに無茶な依頼をしてしまい結果として使えないしAIシステムを開発させてしまうということになります。
特にAIの場合はプログラミング技術のほか次の点を理解していないと使えないAIが作られてしまいます。
- どういったデータを用意するのか
- どういったデータ分析の手法を使うのか
こういった、使えないAIを開発させないためにもAIについては実装方法まである程度知っている必要があります。
まとめ:AIを実装レベルまで理解してDXは成功する

最近のDXではAIを利用することが必須と言っていいです。
そのためDX人材にはAIを理解しておくことが必須ですが、学習方針としては次の二つがあります。
- AIの構造や理論を知る
- AIの実装方法を知る
DX人材がDXの構想を描いたときに、ベンダーにも依頼する部分というのが発生します。
このときDX人材がAIの実装方法まで理解していないとベンダーに丸投げしてしまい認識のずれなどが発生する可能性があります。

DX人材が描くべき構想をより正確なものにするためにもAIは実装レベルまで学んでおくことが大事ですが、同時に学習する際には普通のプログラミングスクールではなく、運営母体がAIを事業としているプログラミングスクールで学ぶべきです。
当サイトではAIを事業としているAIのスクールを3つ紹介しています。
これらのスクールでは無料相談会も行われているので、参加してみることで実際にAIがどういったものなのかというAIの世界に少し触れてみてください!
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