
- AIの構築ではPythonを使うけどPython以外でできないの?
- PythonでAIを構築しないといけない理由があるの?

AIのことを調べると必ずPythonというプログラミング言語で開発をするように言われますが、Python以外でもAIの開発ができないのかということでお悩みではありませんか?
Python以外でもAIの開発などは可能ですが、勉強という観点で考えるとPythonで学習することが最適です。
この記事では、なぜAIの開発ではPythonが使われるのかということを中心に学習という観点からPythonとAIの関係を見ていきます。
AI学習に向けてなぜPythonで開発しないといけないのかということを理解していってください!
目次
【前提知識】機械学習とは

研究者や利用者でもAIに対する考え方も色々あるため一概にいうことができませんが、AIの構築となると最近の考えでは機械学習のことを中心に考えるということが一般的です。
▶︎関連記事:機械学習ってなに?|機械学習の意味から使いみちまで解説
機械学習とは過去のデータに対して人間側でどのような分析をするかを指示することで特徴を見つけ出す作業のことを言います。
機械学習した結果を用いることで未知のデータに対して、過去のデータと比べてどのようなデータなのかということの予測・判断もできます。

AIも定義が色々ありますが現代のおいては基本的に機械学習はAIを構成する重要な要素ということができます。
機械学習の意味を勉強をするだけならPythonは不要

AIの勉強となるとどこまで勉強するかということもありますが、AIの中の機械学習の構造などだけを勉強するのであればPythonといったプログラミングは不要になります。
AIに対する考え方も色々ありますが、AI搭載のソフトウェアなどの原理は次のようになっていることが多いです。

ここで従来のソフトウェアとAI搭載のソフトウェアの違いは機械学習による予想や判断があるかないかということになります。
つまり、機械学習がAIの要ということでもあります。
この機械学習に対する考え方は二つの段階があります。
- 機械学習の数学的意味などの構造を知る
- 機械学習の構造をプログラミングで実装する方法
機械学習にも手法は色々とありますが、機械学習の概念やその中でも重要なディープラーニングの技術を勉強したいということだけであれば本での学習も可能です。
機械学習という観点で見れなPythonはあくまでも機械学習の実装方法になります。
AIのどこまでを学習したいのかということも考えてみてどこまで必要なのかということも考えてみましょう。
PythonでAIを開発する理由

AI開発を行う際にPythonを積極的に使用する理由は他の言語ではできないことがPythonではできるからです。
ライブラリが豊富
AIというと基本的には製品として出来上がっているものしか見ないのでイメージがわかないかもしれませんが、AIの開発においてはデータを分析する必要があります。
このデータを分析することを機械学習と言いますがPythonではデータ分析のためのライブラリと呼ばれるものが非常に充実しています。
- Numpy
- Pandas
これらのライブラリはデータ分析で多く使われていることが原因かわかりませんが、これらのライブラリをもとにさらに拡張したライブラリが開発されています。
その結果、Pythonがデータ分析のためのプログラミング言語として使われるようになっていきました。
結果としてAIの開発ではPythonで行うことで機能が充実していることになっているということになります。

Googlecolabもあるため環境が構築しやすい
AIで人間の代わりに予想判断するには過去のデータを分析する機械学習が重要ですがこの機械学習では非常に多くの過去データを計算する必要があります。
そのため、パソコンに非常に負荷がかかることになりますがこの計算量は通常のPCでは非常に時間が掛かるためGPUと呼ばれる特殊なCPUを利用します。

このGPUを利用するためには機械学習に耐えうるものでないといけませんが、GPUも高価になりがちですしAI学習のために機械学習ができるGPU搭載のPCも高価になりがちです。
そのため、AI学習をするための環境を構築するということがAIの学習に向けての障害となってしまいます。
しかしながらGoogleではGoogleColaboratoryというサービスを展開しておりそこでは制限付きではありますが機械学習で利用できるGPUを無料で使用させてくれます。

このGoogleColaboratoryはPythonでないと動きません。
こういった点からもAI開発ではPythonを利用するということもありますが、勉強という観点で見てもPythonであった方が余計なコストがかからないということになります。
データの収集がしやすい
AIでは機械学習と呼ばれる作業で過去のデータを利用しますが、そのためには大量の過去のデータが必要になります。
そのためにデータを収集する方法もいろいろありますが、その中の一つにWebスクレイピングというものがあります。
Webスクレイピングができるプログラミング言語は限られていますが、PythonはこのWebスクレイピングができるため、データの収集なども行いやすいというメリットがあります。

機械学習の後も対応できる
機械学習では過去のデータを分析することでアルゴリズムを作成し未知のデータに対して予測・判断を行うことができます。
逆にいうと機械学習の結果から予測・判断ができますが実際のAI開発では予測判断を行った後の動作も行うことが必要です。
例えば写真の被写体が何の動物かを予想・判断するアプリがあったとします。
機械学習ができるのは、被写体にうさぎが写っているという判断だけでその判定結果を画面に表示することや写真を画面に表示させるということは別の機能になります。
PythonではWebアプリの作成などが簡単にできるようになっているため機械学習の結果を使ったアプリケーションを作成することができるということもPythonがAIで利用される理由の一つです。
RはAIのソフトウェアにはならない

よくAIのことを調べてみるとRと呼ばれる言語を見かけますが、RはPythonと違いデータ分析に特化している言語ということができます。
AIの機械学習の本質がデータの分析であり機械学習の実行がAIということであれば、RでもAI自体の開発は可能です。
しかしながら、Rは統計の分析などに特化しているためデータの分析は行えてもその先のことができないという問題があります。

最近のAIは機械学習データの分析を行いその結果を利用する方法が主流ですが機械学習ができるのは予測・判断までです。
予測判断を行ったら何かしらの作業をパソコンに行わせることも多いと思いますがRでは予測判断を受けた結果は何もできません。
例えば、画像の動物判定アプリを開発したいとします。
このとき機械学習ができるのは、画像の被写体の動物が何かという予測判断までとなります。
被写体に写っている内容からファイルの仕分けなどを行うといった作業はRではできないと言えます。
AIを開発するということの本質はパソコンに予想・判断を行わせるということになりますが、予想・判断から先の部分も含めて開発したいとなった場合は、Rでは不適切ということになります。
機械学習がAIと考えればRもAIをつくことはできるということにはなります。
しかしながら世間においては、AIは判断を受けた後に何かしらの作業まで含むことをいう傾向が強く、データの分析を中心に行うことはデータサイエンスというように考える傾向が強いためRはデータサイエンス寄りの言語ということができます。
▶︎関連記事:データサイエンスと機械学習はどんな関係?両者の違いを確認
Python以外の言語とAI

Python以外でもAIの開発を行うこと自体は可能です。
ここではPython以外でのAI開発の手法などを見ていきます。
他の言語で開発する手法
AIの開発自体は他の言語でもできないことはありません。
Python以外で開発する手法を見ていきましょう。
機械学習部分の計算を自作する
AIの要である機械学習(過去のデータの分析する作業)では膨大な数学の計算を行っているだけですので、計算式を自作することでAIの実現は可能です。
ただし、機械学習といっても計算手法はさまざまなでそのすべてを網羅することは難しい他、複雑な計算をコーディングするということはかなり大変な作業だということは覚えておきましょう。

もちろん、世の中にはこの機械学習部分を勉強の意味も込めて自作している人は多くいます。
しかしながら、それはAIの構造などを理解した人が知識を深めることなどを目標として行なっています。
プログラミング初心者などが手を出しても、時間の無駄になりますのでいきなりこういったデータサイエンス部分の自作ということはやめておいた方が賢明といえます。

機械学習が行える言語で開発する
Python以外で機械学習(過去のデータの分析する作業)が使えるプログラミング言語としては以下のようなものがあります。
- C++
- Java etc.
ただし機械学習で使用される計算式にはさまざまなものがあります。
- ディープラーニング
- 重回帰分析
- SVG etc...
Pythonのメリットは多くの計算式を利用することができるということにあります。
Python以外の言語もデータサイエンスで使う計算式を保有していますがPythonに比べて数が少ないためPython以外のプログラミング言語では特定的なAIしか作れないことは理解しておきましょう。
端末などに搭載されている機能を利用する
機械学習(過去のデータの分析する作業)では画像の判断などもできますがこの技術を使っているのが写真の顔検出機能などになります。
機械学習部分を端末などが保有している機能に依存させるということも可能です。例えば、スマホのカメラには顔の検出機能があります。
こういった顔の検出機能もデータサイエンスによる判断が使われていますのでこの判断をもとに顔を加工するといったことが可能です。
細かく言えばすでに端末などに搭載されている機能も機械学習のアルゴリズムを利用していることからこれらを利用すればAIを搭載したソフトウェア・アプリの開発はできるということになります。

クラウドのAIサービスを利用する
最近ではMicrosoftのAzureやAmazonのAWSなどでAIに関する機能が提供されています。
クラウド側で用意された機能で機械学習を行うことやすでに機械学習した結果のみを利用することもできます。
こういったすでに提供されている環境を利用しPython以外で機械学習を行いアプリに搭載することなどができます。
他の言語で作製した場合のデメリット
AIの開発自体は他の言語でもできないことはありません。
実際AIの要である機械学習などの機能についてはPython以外のプログラミング言語でもライブラリが存在しています。
ここではPython以外のプログラミング言語でAIの開発を行う際のデメリットを見ていきたいと思います。
限定的なAIになる
Python以外の言語のライブラリはPythonに比べて限定的な機能しかないAIの機械学習のライブラリになります。
そのため、Pythonで作られるAIよりも応用範囲が少ないかできることがかなり限られてしまうということになります。

全部自力で作成しないといけない
Python以外でライブラリがなくてもAIに関する数学的理解を深めそれを自作することは可能です。
しかしながら、AIに関する論文を理解し0から機械学習を行えるライブラリに相当するものを自作しないといけないということになります。
AIを業務に組み入れるのであればどのように判断するデータを入力するのかといったことができるプログラミング言語などで構築しないといけないなど考えることが山のように増えてしまうでしょう。

エラーの対処法がわからない可能性
Python以外によるAIの開発はあまり一般的でないということを考えるとエラーなどが発生した際の対処法がわかりにくいということもあります。
特にプログラミングの世界では英語が共通語です。
そのためエラーが発生した場合に英語を読み込み対処する必要がありますが、PythonによるAI開発では日本国内でも利用している人が多いことからエラーの原因などを調べて調査してくれている人が多くわかりやすいです。
しかしながらほかの言語だと国内で一般的でないことなどから英語などを読み込み自分で解決する必要があります。
勉強の観点から見るとPythonが最適

これまでに見たようにPython以外でもAIの開発自体は可能ですが、AIの勉強という意味ではPythonで行うことが理想です。
結局AIのこととなるといろいろなことを理解していないといけません。
- データの収集
- 機械学習の内容
- 機械学習の予想・判断を受けてどうするか etc...
こういったAIに関する様々なことを全体として学習できるのはPythonということになります。
特にプログラミングの未経験者である場合はAIの構造以外にもいろいろ勉強することがありますが、それらの勉強しやすい環境が整っているのがPythonということになります。
当サイトではAI学習のための正しいSTEPをまとめておきました。
このSTEPでは自分が本当にAIを学ぶべきなのかどうかから、AIをどのように学習すればいいのかまで正しく考えることができます。
AI学習に向けて正しい順序で考えないと無駄な時間で悩んでしまい時間を浪費してしまう可能性があります。
いざ学習したとしても、習得できず時間だけではなくお金を失うことにもなりかねません。
AI学習に向けて正しい段階を踏むことで後悔のないようにしてください。